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沈黙がつづく……
「僕…帰るね」
怖い顔から一転、
リョウはさわやかな顔でその場を立ち去った。
家に帰るなり俺は自分の部屋に逃げ込んだ。
部屋は6畳、フローリングの床、窓が部屋の右に1つ、窓の反対側にベッド、窓の横に机、そのうえにテレビがある。
普段はこれらを巧みに使い、ひまを潰す。
しかし今日は違う…
何もかも嫌になって、ベッドに寝転んだ。
…俺は確かに1番を取った。
生れつきなんだ。
生れつき読解力、暗記力、思考力、集中力…
それがみんなよりもずば抜けていた。
ねていても本を読めば全て暗記してしまい、
いつも1番だった。
最初はみんな優しかったけど、
受験に入ったら態度は一転した。
ずば抜けた俺の能力は
俺から友をうばった。
勉強ができるから一緒にいる?
ふざけるな!
いつもだ!いつも頭がいいだけで褒められる!
もうこんな世界なんて…
「こんな世界なんて消えてしまえばいいんだ!」
俺はそのまま深い眠りについた。
微かになにかが聞こえる…
内容が聞き取れた途端、俺は一気に目が覚めた。
「今日人類が滅亡します」
テレビから流れるその言葉で俺は最悪の朝を迎えた。
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