第二章-魔法剣の覚醒-

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午後五時半を回った頃、少し雲が掛かってきた。 だが、雨も降りそうになく、祭りには何の支障もない天気だ。 夕焼けによって、雲が茜色に染まっていて、桜との相性は抜群だ。 綺麗な景色を見ながら、清二は何故か不安な気分になっていた。 (なんだろう・・・この変な感覚は) まるで、自分だけ違う世界に取り残されたかのような、孤独感を感じていた。 気が付くと、清二は但一人暗闇の中を歩いていた。 建物もない 人も居ない 何もない空間 ただ闇が広がっていた。 「ここ・・・何処なんだろ?」 不安は恐怖に変わり、清二は何かから逃げるように走っていた。 どれだけ走ったのか、清二自身にもわからない。 次第に、光が見え始め光が清二へと近づいてくる。 次の瞬間、目の前が光に包まれ、清二は目を瞑った。目を開けると、そこにはいつも街の風景があった。 「何だ、今までのは夢か」 この時の清二は安心した事だろう。 目の前の風景は間違いなく見慣れた景色であり、あの虚無の空間は但の幻だと。 そう思っていた時 「グォォォォォォォォ!!」 何処からともなく、獣のような雄叫びが響いてくる。 「な、何だ?今の」 清二は再び不安になる。 何なの分からないが、雄叫びのする方向に向かう。 「グォォォォォォォォ!!」 雄叫びのする場所に着いてみると、そこは・・・祭りが行われる公園だった。
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