忠誠

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  …ん…ぁ……らい… …ダメ…… こんな…とこっ………で… 『さて、どうしたらいいのしょうか?』   綺麗にセットされたティーセットとマフィンを乗せたワゴンを押して来たサミュエルは応接室の前で立ち止まり悩んでいた。 なぜなら、雷が水斗に会いに来たらしく、お茶を出すように月斗と星斗に言われたのだが、実際来てみると何やら入っていけない雰囲気なのだ。 無粋な真似はしたくないが、ワゴンをそのまま置いておく気にもならない。 どうしたものかと悩んでいると、ポンッと肩を叩かれた。 クルッと振り返ると、 「静かに…」 と唇に指をあてた風斗が立っていた。 「それは私が貰って行きます。月斗達とサロンでいただきますから」 小さな声でヒソヒソ言う風斗に合わせてサミュエルも小声で返す。 「では、そちらまで私が運びます。」 風斗がコクンと頷いたので、そっとワゴンを押してサロンの方へ向かった。
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