135人が本棚に入れています
本棚に追加
不思議そうに首を傾げながらも黙って見ていたら月斗達から声がかかって
「まあまあ、サミュエルも一緒に飲んでけよ。」
「そうそう。たまにはゆっくり休憩しないとな」
「ですが…」
いくら気やすく付き合っていようが主と執事という関係なので断ろうとするが、風斗によってサミュエルの分の紅茶も用意されてしまった。
「月斗も星斗もサミュエルほどの優秀な執事なら間の悪い時に入ることはないとわかっててこんな悪戯をしたんです。ですから多目に見てやってください」
風斗はそう言いながら自分の席に座る。
双子は本当のことを言われてバツが悪そうにそっぽを向く。
「クスクス 図星だからってそんな顔しなくても…」
そんな様子に風斗から笑いが漏れる。
サミュエルもつられて笑ってしまう。
「フフッ しかたありませんね。今回だけですよ」
そう言って空いている席に腰をおろす。
幼いときから見守っている主達の成長を嬉しく思いながら煎れてもらった紅茶を飲む。
『本当にこの人達は…
どうしようもないですね。
でも、死ぬまでお遣えします』
サミュエルは孫ほど歳の離れた主たちに今日も忠誠を誓うのだった。本人には言わないないが…
END
最初のコメントを投稿しよう!