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それからが大変だった。自分達では無理なので、サミュエルに連絡し病院まで運んだ。
やはり外傷はなかったが、検査をした。その間もその藍色の髪の少年は目覚めなかった。
どこにも異常なしの結果を聞き、2人は眠ったままの少年を自宅へ連れ帰った。
こんなに興味引かれる存在は初めてだった。目覚めるのを待つのがとても楽しかった。
次の日、漸く目覚めた。その時見せたぎこちない笑顔が双子に刻みこまれた。
記憶のない少年に、月斗と星斗は名前と居場所を与えた。
寂しくないように…
その笑顔が曇らない様に…満面の笑みで笑えるように…
願いを込めて、
雨の中の出会いを感謝して『水斗』と名付けた。
命名の理由は本人にはずっと内緒である。
END
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