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「おっ居た!」
雷は目的の人物を見つけると近づいた。どんな人混みに居ても、目立つので見つけるのは簡単だ。
漸く水斗と結ばれて毎日でもイチャついていたいのに、仕事が忙しくあまり時間がとれない。
今日は急に時間が空いたので邸を訪ねると、いつものように4人で脱走した後だった。だから探していたのだ。
「水斗」
呼び掛けると嬉しそうに振り返った。
「雷!どうしたの?」
(可愛いなあ…)
雷はほんと水斗に殺られている。
「時間出来たからな、デートしようぜ」
「うん! あっ!」
背後からの視線に気づいたようだ。
雷が現れてからずっと忘れられていた月斗と星斗と風斗が、水斗に冷たい眼差しを送っている。
「えっと…ごめんね」
笑顔で謝る水斗に3人とも苦笑い。
「行けよ」
「よかったですね」
諦めの星斗と笑顔の風斗と違い、月斗は悪戯っ子の笑みを浮かべる。
「これで許してやるよ」
そう言うと水斗に触れるか触れないかのキスをする。「おい!」
叫ぶ雷に手を振りさっさとその場を立ち去る。
まんまと逃げられ、怒りに満ちたまま水斗を振り返ると
「何の意味もないからね」何かを言う前に釘を刺される。
わかってはいるがどうにもムカついて、月斗の痕跡を消すためキスしようと顔を近づけると、寸前で止められた。
「何で!」
ますます怒りに口調がきつくなったが、水斗から予想外の答えが返ってきた。
「月斗と間接キスになるから嫌だ…」
うつむいてそう呟く水斗は破壊的な可愛さだった。
―プチッ
理性の糸があっさり切れた。
「んっ…やっ…」
雷は噛みつくようなキスをする。
―クチュ ピチャ
「んん…ら…い…」
口内を思う存分舐め回し、漸く唇を離した時、水斗はすっかり感じてしまい、足に力が入らないようだった。
必至でしがみついている水斗を抱き上げ連れて行く。
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