序章

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時間ギリギリだなあ。ちょっと急ぐか 携帯で時間を確認しながら徒歩20分の距離を急ぐ ―ブブブ と、その手の中の携帯が震えた。 こんな時間に誰だ? 歩くスピードはそのままに、届いたばかりのメールを開く。 from 黒曜 まだ大学来てないよね?今日の1限休講だって。だからゆっくりおいでね。 僕はもう来ちゃったから部室ででも時間つぶすかな。じゃあ、また後でね。 「はあ?もう向かってるよ。もうちょっと早く知らせてくれれば…」 親友の黒曜(コクヨウ)からのメールを見て歩くスピードが落ちる。 ブツブツと文句も出る。 了解の旨と知らせてくれた礼を返信してから携帯を鞄にしまう。 2限からか。 あっ、時間あるし図書館寄って行こ。 無類の本好きの俺は、大学の図書館によく通っている。 このぽっかり空いた時間も迷わず図書館で過ごすことに決めた。
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