序章

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「スイ…」 「スイ…」 「俺?」 「お前だよ。スイ!」 「誰?」 「おい!わかんねぇのか?・・だ。」 「え?」 「だから…【ピピピピピピ】 「……夢?」 目覚ましの音で目が覚めた。いつもの自分のベット。 そのままもう一度目を瞑り、さっき見た夢を思い出す。 初めて見る夢だった。いつものぼやけた感じもなく、はっきり顔がわかった。 白地に金糸の刺繍が入った着物をだらしなく着崩し、真っ白の長髪を掻き上げ、綺麗な顔を不機嫌に歪めながら話していた。 あれって昔の服装だよな?平安時代っぽいかな。名前聞き取れなかったなあ…ま、いっか。 むくっと起きて、いつも通り朝の支度を始める。 脳天気な俺は、この声が図書館で聞いたのと同じだとは全く気付いていなかった。
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