プロローグ

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母は俺が生まれて来てすぐに他界して父親が一人で育ててくれた 金銭的に問題があったので保育園には行かせてもらえず、ずっと父親の仕事現場である工場で面倒を見てもらえた 工場現場では危ないや危ないくないなどの危機察知能力が俺に付いたのは言うまでもない でもやっぱり男ばかりの工場現場では異性との交流が無いに等しい 「……で今回はなんで気絶したんだっけ?」 勇が俺に面白い話を聞くように聞いた 「確か、前からプリント配られる時に前の席の女子の手が当たったんだ……」 そう話すと案の定、勇は腹を抑えながら笑った 「ひ、ひ、……翼お前、いい加減そのヘタレを治さないといい歳こいて彼女も出来やしないぞ」 「ヘタレっていうな、これは一種の病気だ」 そんな会話をしながら俺達は笑いあった 若干17歳 蒼井 翼 俺の運命は高校2年生、彼女との出会いから始まった━━━
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