‐はじまり‐

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カバンの中にある手紙を取り出して、 当てもなく読み歩きだす。 到着場所が何処かとか、 出発前に色々と聞いておくべきだったと多少悔やんだが、 もはや遅かった。 手紙に綴られている文に目を通す。 『ジャスティス、 いや“ユウキ”君。 君に、 こんな重大な仕事を任せてしまい、 本当に申し訳ない…。 “5年前”にシュンスケが死んでから、 とても寂しい時間を過ごしている私に、 君は希望の光を見せてくれた。 君が行き着く “20年前”の日本の何処かに、 レグナの幼子がきっといるはずだ! 姿はどんなものかは分からぬが、宇宙人だ。 タイムマシンに積んだ探査装置で見つけられる事だろう。 レグナが消えれば、 そこから15年先に現れる宇宙怪物もここへは来ないだろう! そうすれば、 全ての人々が救われる! それと伝えて置くべき事が、』 「――誰だ?」 手紙を読んでいる途中、 誰かが話しかける。 手紙から目を離し、顔を上げる。 前方には、 白衣姿で消火器と紙っぺらを手に持った ジンの姿があった。 ジャスティス「おっさんっ!!」 ジン「な、なんだ!いきなり!」 ふと、ジャスティスは気づいた。 あれ? 20年前の過去に来たはずなのに。 未来のジン博士と比べ、 さほど若くない姿。 ジャスティス「あ!えーと、 俺はあなたに用がありまして…」 ジン「私に?」 そう言ったジンの横に、 タイムマシンが黒焦げた姿で佇んでいた。 ジャスティス「あッ! こんなとこにあったのか!」 ジン「なんだと!? これは君が乗ってきたのか!」 ジャスティス「え、えぇまぁ! あ、もろしければ中で話を…」 目の前の家を指して言う。 ジン「あぁそうだな、 …私も君に興味がある。 ぜひ話を聞かせてほしい。」 二人は家の中へ入る。    
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