‐時の歪みと消える男‐

2/6
111人が本棚に入れています
本棚に追加
/200ページ
シュンスケ「ゴッホゴホ…」 担任「なんだぁ?滝上…、 咳こんでるけど風邪ひいたか?」 シュンスケ「…あ、ハイ。」 担任「夏だからって、 クーラーのあたり過ぎは良くないからなー!」 担任の教師が授業を再開する。 キーンコーン カーンコーン… チャイムがなり、休み時間が始まる。 生徒達はそれぞれ自由に教室から散っていく。 シュンスケ「ゴホゴホッ…あー。」 教室を背にして、 校庭を眺めるシュンスケの後ろに、 クラメートのハルカが近寄る。 ハルカ「…。」 シュンスケ「なんだよハルカ。」 ハルカの方へ振り返るシュンスケは、 いつもの無表情のままだ。 ハルカ「ちぇ! ちょっとビックリさせて治してあげようと思っただけー!」 シュンスケ「バーカ。 風邪はシャックリじゃねーぞ。」 向き直り、 また外を眺める。 ハルカ「あぁー、アハハ!…知ってるよぉ。 それにしてもシュンスケ、 よくわかったね!」 シュンスケ「……。」 小学校から中学まで一緒のハルカは、 シュンスケのクールな性格には慣れていた。 ハルカ「勘が鋭いというかなんというか…」 シュンスケ「ゴホゴッホ…ハルカ。」 ハルカ「ん!?なに?なに?」 シュンスケ「用済んだなら、女子んトコ行けよ。」 ハルカ「…ふん!はぁいはい。 わかりましたよーだっ」 「ぉほーい! シュンスケー!」 シュンスケ「…。」 「昨日貸したCD聞いてみた? やっぱ洋楽は全然いいっしょ!?ねぇ!」 シュンスケ「ゴホゴホ…、悪いけどカツヤ、俺興味ないし。 だから聞いてない。」 カツヤ「え!?…まぁ、聞いたら教えてなぁ?」 シュンスケ「あぁ。」 そうゆうと席に着き、顔をうずくめて寝る体制をとった。 2年前の中学1年の時、 カツヤは高校生に金をせびられて断り、 袋叩きにあっていた。 高校生「ウザッてぇな出せっつんだよッ!!」 カツヤ「ぐっ…うっ!!」 近くを通りかかったハルカは、 果敢にもカツヤを助けようとするが、 何もできなかった。 ハルカ「誰かぁ!誰かぁっ!」 高校生「うっせーぞ!! オメェも殴られてぇか!ゴラァ!!」 ガシッ!と、 浴びせるようにカツヤに殴り入れる高校生の振り上げた腕を、 誰かが掴む。 シュンスケ「あのさ、コイツ。 家は金持ちらしいけど、 ケチ臭いって有名だからやめとけよ。」 高校生「あ?なんだお前? 手ぇ離せよッ!!」 シュンスケは掴んでいた腕を引く! 顔面がこちらに寄るのを利用して、 素早く拳を食らわした!
/200ページ

最初のコメントを投稿しよう!