‐時の歪みと消える男‐

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シュンスケから見たユウキの姿は、 まるでコスプレをした変な人というものだった。 しばらくの間ここに滞在するユウキ。 風呂から上がり、 今はジンの寝間着を着ている。 シュンスケにも未来の話をした。 しかし、 すぐに信じるハズもなく。 宇宙に怪物などいるのか? タイムマシンなんてありえない! など、言葉を返されてしまった。 いつものように夜のベランダに上がるシュンスケ。 シュンスケ「ッゴホゴホ…。 今日も星がよく見えるな…。」 ユウキ「シュンスケ君は星が好きなんだね。」 ベランダにユウキも上がってくる。 シュンスケ「…まぁ、うん。 遠い向こうに小さな光がいっぱいあって…。 綺麗で、静かで、 なんて言ったらいいかわかんないけど。 …落ち着くんだよ。」 ユウキ「ふぅん! 夏で夜空も、綺麗に晴れているしなぁ。 気持ち良くって、 落ち着くって感じは俺にも分かる気がする。」 二人は並んでベランダの手摺によっ掛り、 星空を眺めている。 シュンスケ「なぁ、 本当にモンスターってのはもうすぐ来ンの?」 ユウキ「…あぁ。 いつかはわからないが日本の何処かに必ずね。」 ユウキは、 シュンスケがモンスターに襲われるという事だけは伝えていなかった。 シュンスケ「なんで日本に来るわけ!外国とかには現れねーの?」 ユウキ「そうなんだよ…! 俺達もそれが不思議でね…。 レグナというさっき話したソイツが来るまでの間、 現れるのは日本だけだ。」 シュンスケ「ゴホゴッホ…。 何か目当てがあんのか?」 ユウキ「そうだね、 組織の連中は一つの考えを出した。」 シュンスケ「なに…?」 ユウキ「レグナが日本の何処かに潜んでいるから…。 だから、 モンスター達はここに集まってくるんじゃないかって。」 シュンスケ「ゴッホゴホ。 レグナってヤツが親玉?」 ユウキ「多分そうなんだろうが、…違う。」 シュンスケ「え?」 ユウキ「俺は対峙した時にレグナと話した事が前にあってね…、あ!前って言っても未来だけど。 …それで、 その時アイツが言ってた言葉の中に “俺は魔王の子” っていうキーワードが出たんだ。」 シュンスケ「そいつの親父…?ゴホゴホッ…」 ユウキ「あぁ、考えたくもない事だ…。 レグナに敵うことも出来ないというのに、 それ以上と思わせる存在があるなんて‥。」 シュンスケ「レグナと、魔王か…。」 ユウキ「…この宇宙の何処かに。」    
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