‐時の歪みと消える男‐

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シュンスケ「ゴッホゴホ…っ! モンスターが来たらどうすんだよ!?」 ユウキ「寝なくて平気か? 余計に風邪が悪化するぞ?」 シュンスケ「それより聞いておきたい。」 ユウキ「……モンスターが来たら、 俺が始末する。」 シュンスケ「アンタに何が出来んだよ! なにか武器でもあるのか?」 ユウキ「武器はなくてもいい。 俺は、 君達みたいな普通の人間の体じゃないんだ。」 シュンスケ「ロボ…ット!?」 ユウキ「アハハ! ばか言うなッ! ちゃんとした人間。 …ただ、 ある薬を服用したんだ。」 シュンスケ「ゴホゴホッ! 痛み止めで、 いくら殴っても感覚ない薬とか?」 ユウキ「違う。 …宇宙生命体の体液が含まれた増強剤だ。」 シュンスケ「ッ!?」 ユウキ「その薬の力で常人の何十倍ものパワーと、 モンスターに攻撃されても耐える事の出来る肉体になる。」 シュンスケ「ゴッホゴホ、大丈夫なのかよ! …それ。」 ユウキ「…。 未来の世界は、 それほど危機迫っていてね。 様々なやり方で戦っているんだ。 ちなみに、 この薬を飲んだものは俺だけだ。 危険があって侵蝕されるかもしれないし、 死を招く恐れもあるからね。 それに、 簡単に作れる薬じゃない。」 シュンスケ「なんでそんなものを!」 ユウキ「…大切なものを、守る為だ。」 シュンスケ「…。」 ユウキ「当時 腕もなく、 機関の下っぱだった俺は、 自ら実験役に志願した。 そして成功し、 ジャスティスと名をつけ、 己自身を武器として戦場に出た。」 シュンスケ「そこまでして…。」 ユウキ「それからはジン博士と共に最後の時まで戦い、 最終手段のタイムマシンに乗って、 この過去へ来たんだ。」 シュンスケ「……。」 ユウキ「さっ! そろそろ寝ないと!な?」 シュンスケ「ああ…。」 ユウキ「おやすみ、シュンスケ君。」 シュンスケ「ユウキさん…」 ユウキ「ん?」 シュンスケ「俺にも、何か出来ないか?」 ユウキは優しく笑う。 ユウキ「君が元気に生きている事、 大切な人はたったそれだけで救われる。」 シュンスケ「…親父…。」 ユウキ「そう、 だから俺に任せろ…。」 シュンスケ「うん…おやすみ。」 ユウキは星空を見上げる。        
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