‐出発の時‐

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街全体を見渡せるほどに浮上したタイムマシンは、 まっすぐレグナの方へ向いている。 黒光りした玉は直径50センチほどの大きさとなり、 都心タワーに立つ彼の手のひらをフワフワと漂う。 隊員「見ろ!あそこに飛び上がっているあれ、 ジン博士のタイムマシンだ!」 半壊したビルの屋上で待機する一人が指した方向を、 銃を構えた隊員達が確認する。 階段をかけ上がってきたジンも同じくそうした。 タイムマシンは空中でゴオンゴオンと騒がしく、 出発しようと身構えた様子でいる。 レグナ「なんだあれは? 悪あがきがしたりないと言うのか…?」 クスリと笑い、 ジャスティスの乗るそれを無視してバチバチと音をたてる光玉をジン達の方へと投げつける! それと同時に、 爆発したかのような大きい音を背にして、 タイムマシンが真正面に急発進した! 遠くのレグナから邪悪に光った玉が機関の方へと飛んで来る! ジン「…ッ!?」 隊員「わあっ!!に、逃げろっ!!」 隊員のその一言で、 みなが待っていたと言わんばかりに武器をその場に捨て置いて、 我が先にと逃げ出す。 さなか、 ジンは立ちすくみ、 高速で空へと駆けるタイムマシンをじっと目で追っていた。 ジャスティス「くぐ…ッ!」 とてつもないスピードが圧となって、 ジャスティスを押さえつける。 タイムマシンが上向きに反っていき、 レグナをめがける様に向かい飛んできた。 空を旋回していたモンスターがそれに気づいて追っていくが、 その速さに負けて無駄に終わる。 止める事も止まる事も出来ないタイムマシンとレグナの光玉が、 高速の中ですれ違う。 ヒューンと、 お互いの駆ける音だけ。 レグナ「ハッ!こざかしい、 こちらへ飛んできて爆発させるというのか!」 両手を広げて、 来いと言うかのように飛行物体を待つレグナ。 一方、 後方から来るおぞましく光った発光物体を出来るだけ避ける為に走り続ける戦闘員達。 走り去るタイムマシンに期待を望み、 仁王立ちして攻撃を受けんとするジン。 凄まじい速度でレグナへと向かって駆けるジャスティス。 降り行く光玉が、 恐ろしく破壊力ある大爆発に変わり、 辺りを粉々に消しさっていく。      
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