禁断なｶｼﾞﾂ

ｺｲﾋﾞﾄ？

愕然とする俺

真顔の京

まさか…何で!?
何故京が、
俺がここに居るのが
分かったんだ!?

それを言葉として
口から出す前に
京の口が開かれる

｢愛生、
隠れるのはいいけど
戸が開いたままじゃ
丸見えだよ？｣

ｸｽｯと笑う
俺を
馬鹿にしているような
京の表情と声…

ムカつく

でも、
よく考えてみればそうだ
本当のことだった

俺は教室の戸を
閉めていなかった
閉め忘れていた…
逃げ切れたと確信し
肝心なことをし忘れていた

ほんと…馬鹿だな俺――。

でも、もしかしたら俺は
京に、追いついてきて
俺を見つけてほしかったのかもしれない
自分から近づけないから…

不安になってもいい

胸が苦しくなってもいい

恥ずかしくて
死にそうでもいい

正気で居られなくてもいい―。

～～分かんねぇ////

散々
『会いたくない、
会ったら自害する』
とか思ってたのに

京のことを
避けまくってたのに

何でこんな気持ちになるんだよ

とにかく、まずは
京に避けてたことを
謝りたかった

『ごめんな、京』

心の中ではそう思っても
口から出てきた言葉は

｢ばーか、わざとだ。
ﾊﾝﾃﾞをあげないと
弟のお前に対して
兄の俺は卑怯だろ？｣

何で素直に言えないんだよ…