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きっとこの足音は
先生か職員のものだろう
あれだけ
大きな声を出した後だ
ましてや授業中に
だから
いつ誰かがやってきても
『おかしくない状態』
なのだ
しかし、
この教室から出ても
逃げる場所は無い
俺は京に
後ろのスペースへ移るように
合図し移る体制に入る
京も同様の考えだったみたいだ
すぐに俺に続く
机と椅子の細い間を慎重に
物音をたてないように
崩さないようにして
後ろのスペースへ移る
前俺たちが居た
真ん中のスペースより
思ったよりも少し狭い
さっきと同じ位の面積だろうが
横に細長いからだろう
入るとさっきより
窮屈なのがよく分かる
なかなか下手には動けない
京もそのスペースに入り
並んで座る
そして、人が来ても
分からないようにする為
体制を低くする
が、前にスペースが余りなく
首が傾げない
このままでは頭が見えそうで
何となく危ういし
この体制はきつく
そう長くは続きそうにない
その事実に気づき
少し焦っている俺に
京が囁いた
「愛生、寝て」
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