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「か、か、風間くん!」
学校の昼休み。
机に座って外を眺めていたら女の子が話しかけてきた。ボブカットのちょっと目付きのキツイ娘だ。
確か同じクラスの娘だったはずだ。
新しいクラスになって二ヶ月はたつのに覚えていない俺もどうかと思うけど。
「何?何か用かな?」
「え……あぅ……」
女の子はたじろいている。何かあるんだろうか?
「大阪ちゃん!?わくい!?」
女の子は助けを誰かに求めるように廊下に向かって叫ぶ。
「大阪ちゃん?わくい?」
困っている女の子と状況が掴めない俺。
もしかしたらこの状況は端から見れば面白いのかもしれない。
女の子が叫んだ後、少したって教室に違う女の子と男子が入ってきた。
「きつねさんもう少し頑張れよー」
「そっ、そんな事言ったってよ!?」
「いつもはサバサバしてんのになー、きつねさんは」
女の子があっけらかんと笑っている。
「えーと……俺に何か用かな?」
「え!?えっと……あの、その」
最初の女の子がかなり動揺している。それを見て男子が腹を抱えて笑っている。
「アハハハハハハ!!」
「笑うなわくい!」
何が何だか理解してない俺はおいてきぼりをくらっていた。
それにしても巫女と在方以外で話しかけてきた生徒なんてめずらしい。
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