事象の始まり

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「はい到着っ、と!」 大阪ちゃんが先に屋上に飛び出して伸びをする。 「うーん、天気が良いねー。そう思わないか?風間くん」 「ああ、そうだな」 俺はとりあえず頷いてみる。 「で、何の話?世間話ならつきあえるけど政治の話は無理だぞ」 「アハハ!世間話の方さ。安心してよ」 男子は笑う。 にしても名前が分からないから会話がしにくい…… 「えーと……とりあえずさ。君達の事なんて呼べばいい?」 「アハハ!そうか、それもそうだ。アハハ!」 どうやら笑い上戸らしい。 「俺の名前は冲沖勇(わくおきいさみ)。わくいでいいよ。で、そっちの娘達が……」 「私は大阪波並(おおさかはなみ)。大阪ちゃんって呼んでくれてもかまへんよ」 大阪ちゃんはもう一人の娘を見てニヤついている。 「……」 「きつねさん。はよ自己紹介せんと」 「え?う、うん。わ、私は、なっ、南部寳(なんぶたから)、えっと……その……」 「狐目だからきつねさんって呼ばれてんだよ」 わくいが助け舟を渡す。 「普段はこんな奴じゃないんだよ。もっと荒々しいんだよ」 「わくい!?余計な事を言うな!?」 「ほらね」 なんだかこの三人を見てると面白いな。 「君達は仲が良いんだ。見てて面白いし」 「アハハ!そりゃそうだよ。俺達三人は幼稚園から一緒だしね」 「そりゃ凄いな」
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