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 彼の名前は渡部 大岳(わたなべ だいがく)高校三年。  大岳には不思議な力があった。  糸が見える。  胸から白く長い糸がふわふわと浮いているのが大岳には見えた。  長くどこに伸びているのかすらわからない糸。  大岳がこの不思議な糸を始めてはっきり見たというのは小学二年の夏の日のことだった。
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