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家に帰ると、その頃一緒に暮らしていた母のお婆ちゃんから、未だ母達が帰っていない事を知らされた。
出掛けた姿を見ていた私は、明日には帰ってくるだろうと、簡単に考えていた。
その日はお婆ちゃんと一緒に寝て、朝には学校へ行った。
学校から帰ると、未だ母達は帰っていなかった。
夜になっても帰って来ない。
流石に寂しくなって、玄関で母の帰りを座って待った。
何をして待ったとか、何を考えていたとかの記憶は曖昧だが、その日から暫く、玄関にずっと座って待っていた事は覚えている。
学校にも行かず、ただ待っていた。
どの位の日数を待ち続けたかは覚えていない。
でも、ある日、父のお婆ちゃんと上の兄が、タクシーでやって来た。
お父さんと暮らそうと言われた。
私は嫌だと泣いたらしいが、覚えていない。
兄が私を宥めて、父の家に連れていった。
母のお婆ちゃんは足が悪く、それでも母が帰る事を信じて、私の面倒を見てくれていたのだが、ずっと玄関に座り続ける私を可哀相に思い、父の家に連絡したらしい。
そぉして何も解らず、私は父の元へ戻る事になったのだった。
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