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待ち合わせの時間…というか、電車の到着時刻からもう10分も過ぎていた。
だけど、私はまだ歩いていた。
本当ならもう兄さんと会って、家に向かっているはずなのに…
まだやっぱり迷っているみたいだった。
自分のことなのに、私は自分のことがわからなかった。
兄さんに会えるのはとっても嬉しい。
だけどやっぱり8年という空白は私の心を不安にさせた。
とっても怖い人になっていたらどうしよう?
「はぁ~…」
ため息がそっと漏れる。
それでも行かなくちゃ。きっと兄さんは私を待ってる。
そう考えていたらいつのまにか駅に着いた。
どきどきしながらもそっとあたりを見回す。
…いた…
きっとそう。
ベンチに座っているあの人…
きっとあの人が…私の…
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