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…俺は正直歓迎されていないのか?
ベンチに座ってかれこれもう15分になろうとしていた。
いい加減暇なんだが…
寝ようにも電車の中で寝飽きたしな。
と、少々考えごとでもしながら待つことにする。
「あ…あの…」
「…あ?」
我ながら不機嫌な声で反応してしまった。
不意に声をかけた少女はいつのまにか目の前に立っていた。
どうやら暇を潰すために熱中して考えすぎていたらしい。
「えっと…その…」
…怪しい娘だ。
なにか気になる事でもあるのかもじもじしていた。
「そうか。なるほどな。」
「え?」
「逆ナンか。」
「…はい?」
違っただろうか?かなり怪訝な表情なんだが…
「しかし悪いな。今は愛しの妹を待っているんだ。」
まぁ構わずに続ける。
「あ…えーっと…私。」
少女は自分を指差して呟いた。
「…なに?」
「その…愛し…の、妹。」
愛しの、という単語を真っ赤になりながらゆっくりと言った。
ということは、だ。
いま目の前にいる怪しいのが…
「まさか…千早…か?」
目の前の少女はゆっくりと頷いた。
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