はじまり~

10/29
前へ
/207ページ
次へ
 トス、という柔らかい感触でもってタイムマシンが僕の体を受け止めてくれた。  そういえばこれに乗るのも久しぶりだ。昔は過去やら未来やらにこれで行ったり来たりしていたのに。なんとなく見上げれば、黒い画用紙を四角く切り取ったように微かに明るく、部屋の天井が見えた。  タイムマシンの前方のタッチパネルを操作する。  それにしてもいくら未来の道具とはいえ時間移動ができるとは思えないほど簡素なマシンだ。  大雑把に言えば、アラジンに出てくる魔法の絨毯よろしく空中に浮かんだマットレスにタッチパネルがついただけなのだ
/207ページ

最初のコメントを投稿しよう!

188人が本棚に入れています
本棚に追加