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「何が起きるかわからないからね。親戚の知り合いなんてもう五浪もしてるみたいだし」
「大学は別でしょう。きっと大丈夫よ」
自分のことなのに何だか盗み聞きをしているような気分になってきて僕は歩みを再開しようとした。
瞬間に、ぴたりと二人の会話が止む。
思わず振り返ると、雄叫びを続ける出来杉くんに、二人同時に気付いたようだった。
苦笑いを浮かべながら見ていると、すぐに僕らに気付いた彼は喜びの舞を止めて僕らに近づき、そして言った。
「二人も合格だよ。三年間よろしくね」
キング・オブ・KYめ。
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