【序章】

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 ……そう。  ボルドとソルと言う二つの異世界が転移の門を通じて、初めて繋がったのは、実はつい最近の事であった。  当然、ソルの異世界民達は、そこに人間と言う知的生命体が住んでいる事すら知らない。  新大陸を発見したコロンブスと同じ要領で、未知の世界へとやって来た……それだけだった。  ……だが。  ボルド側の人間達はこれを無許可の侵入として、ソルの異世界民を異界に住む魔物扱いをした上に、そのまま処刑してしまう。  この、無慈悲で残虐的な行為が、ソルの異世界民達の怒りを買った。  ボルソル大戦の始まりは、本当に些細なキッカケに過ぎなかった。  そして、互いに―― 『利益を追求する為の戦争』  ――ですらなかったのだ。
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