【序章】

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 故に、この戦いを不毛だと考える者も生まれた。  いつしか、戦争が一人歩きを始め、暴走しつつあった巨大戦争を終結させる事が『大きな利益』とさえなっていた。  皮肉である。  ソル側が出した妥協案をボルドがほぼ無条件で承認した背景には、  混沌化しつつある戦争をやめさせる事で、無駄に消費されていた様々な物や者を無くす事が出来ると踏んだからだ。  戦争が終結したばかりの当初こそ、愚鈍な判断と言われたソレは、互いの和睦が進むにつれ、賢明な判断であったと称される様になり、  現在では大英断と、大いに讃えられている。  全面戦争が終結してから以降、異世界間にあるわだかまりが、目に見える速度でなくなって行くと……  二つの世界はたちまち急速な発展を見せた。
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