【序章】

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 挙げ句、特別な能力を持った存在であっても『生物』である以上、一定の休息は必要である。  そればかりか病気や怪我をすれば、行動を取る事は出来ない。  だが、機械はエネルギーがある限りフルタイムで稼働させる事が可能であり、  機械の一部が壊れても、部品の交換や修理をほどこせば、アッと言う間に元の性能を取り戻してしまう。  科学(化学)、物理、機械工学、工業数理などは、ソルにとってまさに新時代の幕開けとなる革命的な代物であった。  他方、ソルが持つ固有の文化である『魔法文明』もバカに出来ない。  魔法には、科学的根拠がない。  ……なのに、科学的な反応を見せる。  一例を挙げると……  発火点に満たない物質が、なんの脈絡もなく瞬時に温度を上げて着火する炎の魔法や――  気圧の変化を起こす条件など何一つないのに突発的な風を巻き起こす風の魔法など……その他、様々だ。
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