【序章】

5/18
前へ
/164ページ
次へ
 偶然なのか必然なのかは定かではない。  ――が。  この特異点には空間をねじ曲げる不思議なエネルギーが、自然の摂理と協調する形で密集しており、  生物になんら害のない亜空間トンネルの様な物が生まれていた。  この転移の門をくぐれば、本来なら何万キロと離れた距離を全くのゼロにする事が可能であった。  転移先が、同じ特異点を持つ場所のみに限定されてはいるが、その分を差し引いても尚、他の移動手段よりも利便性に飛んでいる転移の門は、  ボルドの世界において様々な用途に活用されて行き、広く大衆の交通手段としても使われ、世界の常識にすらなっている。  しかし、この転移の門。  転移先が必ずしもボルドの何処かであるとは限らない。
/164ページ

最初のコメントを投稿しよう!

116人が本棚に入れています
本棚に追加