31人が本棚に入れています
本棚に追加
『・・・一番乗りだ』
私は小さく呟き、足を踏み入れる。
タイルのひんやりとした冷気が、足の裏に染み渡った。
『・・・・・』
ペタペタと足音を立て、ずらりと壁に並ぶシャワーの列に近付き。
『ここにしよっと』
許可を得なければならない状況ではなかったが、場所を決め、1つのシャワーの前に座る。
目の前の壁には、鏡が付いており、私の姿をくっきりと映していた。
蛇口を捻り、湯を出す。
シャー・・・という、シャワーの独特の音響で、周囲が満ちた。
『・・・・・・』
バシャバシャと湯が床に落ちて広がり、足元が水浸しに。
微かに上がる湯気も、鏡の表面をうっすらと淡く曇らせていく。
最初のコメントを投稿しよう!