【縁(ゆかり)】

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【縁(ゆかり)】

『怖色(こわいろ)望むは生い立ちが ほぅよほぅよと愛子(あやし)経(た)て あの日に受けた体罰を 忘らぬ心が歓喜に歪むる…』      ただホメラレたくて 卑しめ辱め朽ちた昔 手が痛くて眼が痛くてあなたを悦(よろこ)ばせます 産まれたばかりのひたむきを蹴散らされ 受け入れず壊したのはあなたでした   無垢(むく)は罪 陰るは強き弱さ 泣いてばかりいた小さきに 鳴いて殺されたホトトギス 溶かしては繋げ 溶かしては繋げた 転がる屍の身体と身体   変わる代わるは幾何(いくばく)か 吐き病む魅力は縁(ゆかり)の血 あなたに貰ったハンカチが 紅く綺麗になりました 願いと終わりは噛み締めて 満たした微笑を浮かべたもう   ただあなたに 御愁傷様々なりと…  
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