泡姫

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先ほどとは別人のような風貌です。 サラダ油をかけたような髪は、さっぱりと洗いあげられ、薄汚れた顔は、目やにひとつ付いておりません。 私は知らなかったのですが、この方は泡姫の間では有名な殿方でして、普段は路上生活をしているそうです。 日雇いの賃金を貯め、数ヶ月に一度、入浴を兼ねて、泡姫城に訪れるのだそうです。 たしかに汚れきった体を洗うことができ、溜まりに溜まった性欲を吐き出すこともできるのですから、さぞかし彼にとっては都合のよい施設なのでしょう。 彼が帰ったあとの浴室掃除は、大変難儀しました…
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