一通の密告

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暗殺前日。夕方、見回り組屯所に一通の手紙が届いた。佐々木唯三郎の手元に届いた手紙の内容は、「あすの夜、坂本竜馬、他一名が会う予定。場所は近江屋。」おそらく、これにちかい内容だったにちがいない。いわゆる密告である。竜馬の本当の暗殺を実行し、なおかつ口封じと、倒幕派全員のアリバイみたいなもんだ。この一通の手紙で、竜馬の命も散り、平和解決より鳥羽伏見の戦争につながる。この戦争が狙いである。この利益の目的のため、竜馬は消され、中岡は利用されたのである。いち個人のわがままにすぎない。その策士の大久保も、その後惨殺されるのである。
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