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駄目だ吐いちゃ駄目だ絶対駄目だそれは駄目だ。
両手で口を抑え、涙ながらに必死で飲み込んだ。もはや満身創痍だ。
だけど乗り越えた。背中には由香ちゃんの感触。至福のひと時。
「うーん」
また抱きしめる腕に力を込める由香ちゃん。死にそうだ。色々な意味で。
口に出てくるのは何とか阻止できた。だけど鼻から少し出てきた。最悪な匂いが充満する。
「卓也くーん、こっち向けー」
可愛い声だ。それだけでご飯3杯はいける。
由香ちゃんは僕の体を揺さ振り始めた。回転式の椅子でめちゃくちゃ回されてるみたいで、死にそうだ。
「わ、わかっ、わかっ」
由香ちゃんはやっと止めてくれた。ゆっくりと体を由香ちゃんのほうへ振り向かせた。
ああ、天使だ。
「ぎゅううぅ」
抱き着いてきた。由香ちゃんの手が僕の腰を押す。由香ちゃんの胸の感触を楽しむ余裕すら無いぐらいに、絶対絶命だ。
口を抑えようとするも、由香ちゃんの腕に拘束されていてできない。さらに力をこめて抱きしめる由香ちゃん。
自分の腕と由香ちゃんの腕、それから由香ちゃんの体のトリプルコンボが僕のひん死の腹を襲った。もはやここまで。
「うふ」
そう楽しそうに笑った由香ちゃんの顔は、綺麗に僕の嘔吐物でコーティングされた。
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