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ルートは小さな声で呟くと、リリアを立たせようと右手を差し出す。
「……、ありがとう」
たっぷり10秒考えてからリリアはルートの手を取り、引っ張り上げて貰った。『敵に情けは無用!』等と言われるのを覚悟していたルートは、リリアの言葉に目を細める。
「っは。まっまっ、待て。起こしてくれたことには礼を言おう! だが、私はまだ怒ってるんだぞ!? ……っ、さっきのはいったい、何だったんだ!」
リリアの戸惑い混じりの大声に、ルートは妖しく笑んで……今度は右の頬に、ちゅっ、と音を立てキスをした。
リリアは今起こったことに目を見開き、茫然と口を開く。
「──‥っ、勇者のドアホー!!!!!」
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