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「出たわねっ、諸悪の根源!!」
「これまた随分な言い草で……、ぷっ」
突如、何処からか現れたルートはシエルの顔……血にまみれたティッシュを見るなり、右手を口許へと遣って小さく吹き出した。
一連の動作を見ていたシエルはみるみる内に顔を赤く染め、額に大きな怒りマークをつけてキッとルートを睨みつける。
「シ、シエル……落ち着けっ、な? 何だか顔が茹でたタコみたいになってるぞ」
「リリアはちょっと黙ってて頂戴! これは私とこの変態野郎の問題よ!」
「……はい…」
いつもならばリリアには決して怒鳴らないシエルが怒鳴った事で、リリアは少なからずショックを受けしょんぼりと肩を落とした。否、“少なからず”では無く“だいぶ”だったが。
「シエル、大きな声を上げるのはレディとして如何なものかと思いますが?」
「あら。リリアが嫌がってるのにも関わらずにキスしてくる、何処かの誰かさんに言われたく無いわね」
「……ああ。羨ましいんですか?」
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