「見つけた…」

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「見つけた…」

そんなある日。 灯子は決心した。 自分を変える、と。 まずは見た目から変えることにした。 「そういや…眼鏡最近掛けてないから…新しいのでも…掛けてみようかな…」 灯子は高校に入ってからは眼鏡からコンタクトに変えていた。 一度眼鏡に戻してみよう。灯子は思った。 皆が変化に気付いてくれるに違いない。 思ったらすぐ行動する灯子は近所の古びた眼鏡屋に行った。 「…久しぶりに来たけど…店員…いなくない?!しかも…これ営業中かな…?」 そこはガランとした店内。 寂しげに眼鏡達がポツンと置いてある。 その中に灯子の目を引くある眼鏡があった。 それはフレームは黄緑色をしていてレンズは四角。 ただ違ったのは耳に掛ける部分にイヤホンがくっついている。 「なに…これ…老人よう?…にしては若い子風だけど…」 そのあとも店内を見回ってはみたが灯子の目を引く眼鏡はあの眼鏡以外なかった。 灯子は気づかない内にあの眼鏡の虜となっていた。 「…これ…ほしい………店員…いない…よね……」 灯子は震える手を眼鏡に伸ばした。 意識的にはやる気はない。だが手が伸びていた。 気づいたときには店から出ていて商店街を走っていた。 息が詰まる。呼吸が増して荒い。 バックを覗く。 ある。 あの黄緑の眼鏡が。 万引きしてしまった。 人生初の万引き。 何故か罪悪感はない。 「フフ…やった…」 早速掛け、商店街を歩いてみた。
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