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コンタクトをしたまま眼鏡を掛けるなんて不思議な感覚だが度が入っていない眼鏡を使うにはこの方法しかない。
「なんだか…いつもは静かな商店街なのに…騒がしくない…?」
イヤホンのせいなのか?
なら少し会話を盗み聴いてやろう。
『あの子すっごい美人ねぇ~』
ん?
『ええ、顔の形が整っていてお人形さんみたい…』
だれ?
回りを見回すだかそんな美人はどこにも見当たらない。
第一そんな美人なら即座に気づくはずだ。
気のせい?と思いつつ名門女子高の制服を来た女子校生の前を通り過ぎる。
『うっわ!超キレー!!ヤバくない!?』
『マヂ?うっわー何?芸能人?』
誰?誰なの?もしかして…
「ねぇ!もしかして…だけど…美人って私の…」
言って後悔した。自意識過剰だ、と笑われるだけ…と。
だが、女子校生の反応は全くもって正反対のものだった。
『キャー!!話し掛けられたー!!ヤバーい!!』
「え?私?」
『どっかのTV出てます?アイドルですか?』
「ちが…うけど…」
『うっそ~絶対出た方がいいって!』
『あっ、ゆみ!時間!』
『あっヤバい!じゃ!』
「あ…」
行ってしまった。
なに?私がきれいだって?今まで一度も言われたことない言葉…。
「この眼鏡…?」
改めて外す。
さっき美人と言っていたおばさんに聞いてみる。
「おばさん!私、美人?!」
『え?…あ、まぁまぁだよ…普通だね…』
やはり…この眼鏡…
私を美人にしてくれる!
「見つけた…理想の眼鏡…」
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