10人が本棚に入れています
本棚に追加
《ガラッ》
大きくドアを開く。
皆が驚きこちらを見る。
いつもならこんな視線を感じるのは気恥ずかしくなるのに今日は違った。
皆の視線が…気持ちイイ!
視線を浴びながら灯子は自分の机に向かって歩きだす。
窓側の席につくまでに様々な声が聞こえてくる。
『うわっ!なにあの女!?あんな美人クラスに居たっけ?』
『あれって夏樹灯子じゃね?うっわ~ヤッバ!』
うふふ…
声を聞くたび優越感に浸っていく。
今までにない感覚…これが快感と言うものなのか。
席についた途端女子集団が寄ってくる。
『ねぇねぇ!夏樹…灯子ちゃんだよね?すごいきれい、美人だよね~!というか私達何で今まで気づかなかったんだろうね?こんなにもきれいなのに!』
「えっ…あ、私…地味だから…」
『ううん!そんなことないよ!灯ちゃんは十分可愛いって』
「灯…ちゃん?」
『そう!灯子だから灯ちゃん!イヤ?』
「…っつ…全然!逆に嬉しいよ!」
『アハハ良かった♪私は朝子。ヨロシクね~』
『私は春海!ヨロシクゥ!』
『私、多佳子!まぁ何ヵ月か経ってるから知ってると思うけど…灯ちゃんとは話した事ないしね~一応紹介だ!』
初めて友達が出来た…
灯子はこの感覚に感情に囚われていた。
なので次の反応が少し遅くなった。
「3人共…ヨロシク!」
キーンコーンカーンコーン…
『あっ!チャイムだ!席つかなきゃ!じゃね灯ちゃん♪』
別れたあとまだその余韻が残るなかふと疑問が湧いた。
(あの子達…クラスに居たっけ…?)
だがその疑問も自分がクラスに溶け込んでいなく覚えていないだけ。と、あっさり否定したところで一時間目が始まった。
最初のコメントを投稿しよう!