私が中心…

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私が中心…

この日も無難に学業をこなし帰路を歩いていた。 ただいつもと違うのは周りの眼差しと友達がいることだろう。 『だよね?でさぁ~…』 「あ、ゴメンうちここで曲がるから…」 『そっかそっか!じゃ!また明日!』 「じゃあね~!」 別れたあと灯子はほくそ笑むのだった。 「すごい…この眼鏡…たった1日で3人も友達が出来ちゃった…」 フフフフ… 周りからは私は美人。誰もが私に注目する。避けるものは誰もいない。 私は……美人だから…。 次の日。 灯子はまた朝から眼鏡を掛け登校した。 皆の声を聴きながら。 『あの子美人ね~惚れ惚れしちゃう…』 そうでしょう。私は美人なの。 『モデルみたいだな~。』 フフ。もっと言って。 『あんな絵に描いたような子っているんだね~』 そうよ。わたしは絵にも彫刻にも負けない。 「私は美人なの。世界中の誰より…私は世界の中心よ!」 アハハハハハハ! 商店街で灯子の高い声が響く。 普通は何だろうと振り向く人がいるだろう。 しかし灯子に映るのは皆がこちらを見て笑顔で頷く様子だけだった。 その日は何もなくただ淡々と過ぎていくだけだった…
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