旅立ち

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『朝だ!起きろネルソン!』 叔父のガークは相変わらず声がでかい… 親はまだ産まれてまもないころ、デビルに噛み殺されたらしい。 デビルとは黒くホビット族より一回りでかい肉食犬である。 だから顔もよく覚えていない…。 『早く起きんか!今日は村長から大事な話があるんだろ!』 ネルソンはベッドから飛び跳ねた! 『ヤバッ!村長遅刻にはうるさいからな~』 『今日も大きなコブ作って帰ってくるの楽しみにしとるからな!あはははは!』 『うるさいな~もう!』 『飯食っていかないのか?』 ガークの声には耳も届かず、一目散に家をでた。 『あんな棒で頭ヒッパタクなんて村長どうかしてるぜ…』 村長はデビルからとったぶっとい背骨を杖がわりにしている。 『お~いネルソンおはよ~。』 村でも有名な双子がやって来た。 何が有名かというと、17才にしてはあまりにも小さかったからだ。 このぐらいの年齢になると、身長はもうのびなくなる。 ネルソンが142センチに比べて、双子は130ととても小さい。 『おはよう!早くしないと遅刻するぜ!』 『お前にいわれなくても分かってるわ!イヤーハー!』 こいつは兄のほうで名前はキッチー! いつでもテンションが高い。 口癖はイヤーハー 『兄貴声でかいよ!あ~回りの目が気になる…』 こいつは弟のザブン!うるさい兄貴と比べて静かだが、とても負けず嫌い。 村長の家が見えてきた。 『ふ~なんとか間に合った…。』 『イヤーハー!今日は叩かれない!』 『……疲れた。』 『ふぉっふぉ、今日は遅刻しなかったな、偉いぞ。』 村長の手には相変わらずデビルの背骨があった。 『へっ、木下学校に通ってたときは、散々その骨で叩かれたからね…もうこりたさ。』 木下学校とは低学年から高学年が通う学校で、低学年は挨拶など基本的な事を学び、高学年になると世界についていろいろ学ばされる。その他には身を守るための剣術など…。 何故木下学校かというと大きな木の下にあるからだ…。 ネルソン達は卒業したばかりだった。 『コジーめ、あやつは最後まで遅刻しおって…』 コジーはネルソン達の中で一番頭が良いいが、自分にかなりマイペースなとこがある。 『噂をすればきおったわ…』 『すいません…遅刻しました。』 『わかっとるわい!最後まで遅刻しおって!』 コツン!
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