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静かに呟くと、少年は再び手を動かし始めた。
「おい、お前」
笙郭は少年に声をかけた。
「なんでしょう」
「見ればたいそうな箒をもって木陰を掃いておられるが、若い花守か何かなのかな?」
問いかけると、少年は手を止めて笙郭に笑いかけた。
「わたくしは鎮守にお仕えする者でございます。花の頃はこうして掃き清めているのです。花守といわず、宮つこと──お呼びください」
「おお、これは失礼。なにぶん、初めての場所であるから」
笙郭はごまかすように頭を掻いた。
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