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それは、俺が小4のある日の出来事。
その頃は、毎日っていっていーぐらい母親と弟と開南へ買い物に行っていた。
あそこのアーケード街は安い食材が豊富に取り揃っており、いつも主婦でいっぱいになっていた。
まぁ、主婦の数にも恐怖してたが、話の舞台はその農連も超えた先の平和通りを抜け、三叉路を真っ直ぐ突き進んだ先にあったダイエー、通称ダイナハである。
今は潰れて跡地になっているが、当時はデパートといえばダイナハってぐらい那覇んちゅの間ではポピュラーだった、って無駄話はさておき……
その日は大売り出しの日で、お一人様何個まで系の商品がお目当てだったらしく、俺と弟はその商品購入と荷物持ちの為にいつものごとく引っ張られてきた。
地下へ降りて、目的の商品と惣菜を幾つか買うと、いつも通り5階の本屋へ行った。
ダイナハに来たらいつもこのコースで、本屋の後は決まって4階の電化製品売り場へ行き、買いもしないのに見て回って帰るっつーのが当たり前だった。
その日もふつーに本屋に行ったのだが、階段を上ってる(階段派)途中、お腹がゴロゴロしだした。
下痢である。
ちなみに、ダイナハのジミーの裏側の階段には、二階・女、三階・男、と一階ごとに便所が設置されていた。
で、ここまで読めば察した方もいると思うが、それはその三階の男子便所で起きた。
……いいや、あった…とゆーべきか……
いきなりで、それもかなりの重症だったので、2人に「先行ってて」といって、便所に駆け込んでった。
ダイナハの便所は、昔から雰囲気的に暗くてあまり好きでは無く、それでなくとも子供心に怖かった。
要するにビビりだ。
だが、そーもいってられない状況。
とにかく便所の中に入っていき、2つある内の奥の和式(しかなかった)に入ろうと戸を押した。
瞬間だった。
『ギャアッ‼』
開いた先にあったのは、致死量といえるほどの血が壁一面にビシャァと広がっている状態。
俺は一目散に逃げ、5階へ駆け込んでった。
立ち読み中の弟を捕まえて、恐る恐る便所へ一緒に確かめにいったが、そん時には血の痕が綺麗サッパリなくなっていた。
結局、弟や母親には信じてもらえず、その後もいつも通り見て回って帰ってった。
俺も今考えると、あれは見間違いかなんかかなぁと思ってしまう、そんなすげぇ微妙な話。
余談だが、下痢は何時の間にか治ってた……
オチ的にも、恐怖ってより奇妙で微妙な話。
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