11人が本棚に入れています
本棚に追加
あれは
19の夏だった
歌って飲んで
二日酔い
痺れる頭で
プール行き
溺れて
夢をみたんだ
湖の近くの
壊れかけの
ボート小屋
そこには
僕が住んでいる
お腹が空いたら
花を食べ
何もしないで
生きている
湖の中には
ヒルがいる
血を吸うことが
仕事の奴ら
まるでこの世と
変わらない
寒くなったら
ムシロ巻き
僕はそこで
歌を歌うんだ
月と氷と愛の歌さ
湖の側のボート小屋
訪ねて来るのは
元彼女
お腹が膨れて
いるのは来年
俺の子供が産まれてくるから
俺は彼女が来たとき
ボートを出して
オールを漕ぐんだ
彼女の真上には
輝く月が二つある
彼女はニッコリ笑って
ゆっくり星が降ってくる
そこで俺は気付くんだ
彼女は
生きていないって
水が俺の中に
入ってくる
どんどん入って
一緒になる
慌てもしない
でも
遠いはずの
月がこっちを
見ている
気がしたんだ
痺れる頭の片隅で
明日彼女に会おうと思うんだ
最初のコメントを投稿しよう!