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何処か遠のく 日溜まりに 耳を澄ませば潮騒が さざ波の音だけ 打ち寄せて 消えては 浮かぶ 砂模様 空の青さは 程よくて 雲の白さは 心地よく だから 私は 樹を埋めた 潮風に存続を 飛ばしながら 嵐に耐えては 根をはって 津波に 意味を知らされて 遠い何処かに 埋もれても 太陽と月は 平等だから 陽のあたる ところへ 行きなさい 枝は何本も 伸びている 何処に 向かっても 逞しく 私は 今でも ここにいる 恋しい事は あるけれど 海を見つめて いたいから
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