*2日目 後*

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  * * *   「ただいま」   玄関のドアを開けて、無意識に挨拶をする。 いつまでたっても、一人暮らしには慣れてないみたいだ。   茜と凪は、一回買った荷物をまとめるとか何とかで、茜の家に入って行った。 多分しばらくすればやって来るだろう。   「さて、暇だな」   食事の材料も向こうに任せているため、やることがない。 というかぼーっとするしかない。   ふと、部屋に置かれた花たちを見る。 そういえば水やりを凪に任せたから、花と会話をしていない。   「寂しかったか…?」   花に話しかけるなんて、やっぱりちょっと変なのかもしれない…が、何か落ち着くんだよな。   昔…小さい頃は、そんなことなかった。 でも、あの日…あの日から、オレの中で花の存在が大きくなった。 そう…あの日… オレの7歳の誕生日…そして…母さんの…。     「あーきらっ、お待たせ!」   ドアの開く音と共に、茜の声が響く。 どうやら準備は終わったらしい。   「…お邪魔…します…」   茜に続き、凪も遠慮がちに入ってきた。   「あぁ、どうぞ。飯、用意するのか?」   「ん、ちょっとゆっくりしたら作ろうかな。ね、凪ちゃん!」   「……うん」     昨日より、笑顔の凪。 …だめだな、やっぱり可愛い。   こんな可愛い子と会っていたなら、忘れるわけがないのに… 何で、覚えてないんだろう…何で、わからないんだ…?   考えてもやっぱりわからない。
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