シーン1 『依頼』

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始めからおかしな仕事だった。 あるアパートに住む男を殺すだけ、 簡単に終わるはずだった。 仕事の途中、 男の娘に見られた。 いや、 見られてはいない、 彼女は目が見えないようだった。 若い頃、 車で人身事故を起こした。 相手は幼い女の子、 即死だった・・・。 何となく姿がだぶった。 ・・・気のせいだろう。 しかし、向けた銃の引き金は重く、彼女を殺す事は出来なかった。 私に笑いかける笑顔が頭から離れない。 四年前も同じように男の子を撃てなかった。 それを最後に殺しをやめていた。 あの事故から何かが狂っていったのかもしれない・・・。
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