黒猫を追う子供達の冒険

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その様子を少し離れた場所から伺っていたブラッドは、 (ホントに5人で倒しやがった。 ギルドで言えばグリムベア討伐はD級の依頼だが…… 装備が鉄パイプだけなのにマジで倒しやがった) と内心で感心していた。 もし、彼らが持っているのが剣などであったなら決着はもっと早かったであろう。 (これなら、次からは刃物の扱いを教えてやっても大丈夫そうだ。 今回ので分かったが少なくとも、ギルドのD級連中ぐらいの強さは持ってるみたいだしな) 若者達の成長にブラッドはフッと口許を綻ばしてしまった。 「皆、大丈夫っスか?」 「フン……かすり傷だ。 問題ない」 ラハルが聞くと、ベゼルトが返答し、それにダレンとローリィが首肯。 「大丈夫じゃないって。 尻が、半端なく痛い……」 ただ1人…… 木から降りたボーゼが尻を片手で押さえながら、異論を口にした。 「しゃーないっスよ。 死ぬよりマシっス」 と告げてラハルは明るく笑う。 「フン……勝手な行動に走るからだ」 ベゼルトにはキツめに言われた。 「……………………」 流石にこれにはぐうの音もでなかった。 「ベゼルトも人の事言えないっスよ。 ボーゼより先に1人で突っ走ったじゃないっスか」 「う……!」 その次の瞬間、ラハルに言われ、今度はベゼルトが黙り込んだ。
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