若き雄猫

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「…以上を以て今回の依頼執行の報告とさせて頂きます」 ブラッドはルマンダとアウラに挟まれる形で立ち、静かに告げ、テーブルの上に紫色の刀身が特徴的な細身の剣を置いた。 そこは会議室で、そこにはその3人以外にはマスターが奥の席に腰掛けているだけだった。 「確かに本物のようだな。ご苦労だった。2人とも。これからも宜しく頼むぞ」 重厚な声でマスターはそう言った。 「君にも存分に働いてもらうから覚悟しておいてくれ」 マスターはアウラを見つめて言った。 「はい。ありがとうございます」 アウラは静かに言って丁寧なお辞儀をした。 「では、解散」 マスターがそう言うと3人は会議室のから出ようとして扉に向かった。 「ルマンダは少し話があるからここに残ってくれ」 マスターがそう言ったのでルマンダは会議室に残り、2人は会議室を出て、扉を閉めた。 「で…話って?」 ルマンダは一応マスターに問い掛けた。 「どうだった?奴…ブラッドは?」 「戦闘能力、知識、状況判断力、自活力、柔軟性や修羅場慣れ、などの全てにおいてほぼ完璧なモノを兼ね備えています。正直な意見、彼が何故、B級の執行者なのかというのが疑問なぐらいですね」 ルマンダは私情を挟んでいない建設的な意見を述べた。
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