4008人が本棚に入れています
本棚に追加
/235ページ
あの後、私はどうやって家に帰ったのか覚えていない。
一晩寝て、目を覚ませば昨日のことはすべて夢だったのではないかと思ってしまうくらい、昨日の出来事は衝撃が強すぎた。
でも、夢じゃない。
私の首筋に生々しく残っている二つの傷。
「おはよう亜美ー。」
学校へ向かう途中の通学路で柚と会う。
「おはよう。」
いつも通りの会話を交わし、二人並んで学校へと歩いていく。
「どした?なんか元気ないね」
「や、気のせいだよ。」
他愛無い会話を交わしているうちに、校門を通りすぎた。いつもならここで柚に付き合って隼のお出迎えを大勢の女子とするのだけれど、会いたくないため先に行くと言い残し、一人先に教室に向かった。
最初のコメントを投稿しよう!