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次の日の夜、ベルサイユのパーティーホールにナタリーは忍び込み、一人そのホールで曲もないのに踊った。
やはり、自分の部屋で踊るのとは違う……
広い広いホールにたった一人舞う少女……
ナタリーはそれから舞踏会の無い日の12時過ぎに踊りに来るようになりました。
『……さすがに夜中の12時を過ぎてからあのホールに来る人は居なかったわ……。』
ナタリーは昔を懐かしむように上を向いてマリアに話して聞かせた。
『素敵なお話ですわね……ですが…』
すっとマリアは立ち上がり、ナタリーの目の前に立った。
『その様な格好で踊られて風邪でも引かれたら困ります。私がマダムシャルに叱られてしまいますわ。』
ナタリーはゆっくりとマリアの方へ顔を向けると、にっこりと笑った。
『そうだね。さぁマダムシャルにお小言を言われる前に帰りましょうか。』
そう言いながら立ち上がり、二人並んでお屋敷へと戻っていきました。
もちろんマダムシャルが入口に待ち構えており、お小言を食らったのは言うまでもない……
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